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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[513]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/25(金) 00:13:28 ID:???
ボッシ「(ナポレオンが……ナポレオンがいないなんて……)」
こいし「ボーちゃん……ボーちゃんだって合宿で頑張ってたんだよ!
    他の皆だって、昨日の試合でちゃんと出来てたじゃない! ボーちゃんだって鬼からゴールを奪えるよ!」
ボッシ「あ、ありがとう……(だけど……自信が無い……俺が……俺が、ゴールを奪えるんだろうか?)」

フランス陣営では、FWであるボッシをボランチの古明地こいしが励ましていた。
ナポレオンというストライカーを欠いたこのフランスで、今日の試合ワントップのFWとなったのはこのボッシ。
彼もまた他のフランスメンバーと同じく、合宿中に大きく成長を遂げた選手の1人であった。
だが、そんな彼は――昨日のアルゼンチン戦で目立った成績を生み出せなかった。
守備が脆弱とされるアルゼンチンから1点取る事も出来なかった。
そんな自分が、ナポレオンがいないこの状況で、イタリアや幻想郷に負けない程強固な守備を誇るウルグアイからゴールを奪えるのか。
……彼はその自問自答を繰り返し、そして、心の中でそれは無理に違いないと考えてしまっていた。

勇儀「……よう地霊殿のご令嬢。 昨日の試合はえらく調子が良かったみたいじゃないか」
さとり「お陰様で……一対一は私の十八番。 誰が相手でも負けるつもりはありませんでしたから」

そして、フィールドの一角では――両チームに派遣をされた選手達が相対していた。
ウルグアイに派遣をされた山の四天王――鬼の持つ力を最大限に生かしたサッカーを得意とする、星熊勇儀。
フランスに派遣をされた地霊殿の主――心を読む力を最大限に生かしたセービングを得意とする、古明地さとり。
両者は地底に同じく居を構える妖怪として知人関係にあり……勇儀はさとりのチームに加入をした事もある、旧知の仲でもある。
だが、不夜城カップの一戦で自我を崩壊させかけたさとりに対して、勇儀は既に見切りをつけており。
今日の試合も、本気を出すまでもなく勝てるに違いないと確信に近い自信を持っていた。

心を読めるさとりを前にしてもその思いを抱き、その上で笑みを浮かべている辺りが、鬼特有の威風堂々とした態度でもある。


0ch BBS 2007-01-24