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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[567]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/26(土) 01:54:15 ID:???
頭を抱えて項垂れるボッシ。
そんな彼の肩を、不意にぽんと叩く少女の姿があった。

さとり「………………」
ボッシ「サ、サトリ……?」

振り返ったボッシは、思いがけぬ人物が目の前にいた事により目を丸くして驚く。
別にフランスJrユースメンバーがさとりと仲が悪いという訳ではないのだが、
さとりは本来こういう時、率先して誰かに話しかけるような積極性はあまりなく。
どちらかというとこいしの方が誰かと話すなりコミュニケーションを取る事は得意だったのだ。

ボッシ「え、えっと……俺に、何か……」
さとり「ボッシ君。 このチームのGKとして、1つだけ言える事があります」
ボッシ「え?」
さとり「……あなたの決定力は、ナポレオン君には劣ります。 ですが、ピエール君を超えている」

狼狽するボッシに、さとりは単刀直入に事実だけを述べた。
彼女はあまりコミュニケーションを取るのは得意ではない。故に、言いたい事だけを言った。

さとり「このチームで、今、一番の決定力を持つのは貴方です。 貴方が一番、伊吹萃香を破れる可能性が高いのです」
ボッシ「………………」
さとり「ナポレオン君がいたなら、ナポレオン君を頼っていたでしょう。 ですが、今は彼はいない。
    ……故に、私は貴方を頼ります。 どうか……1点を取ってください」
ボッシ「………………」
さとり「……貴方は気が弱い。 ですが、そんな心の奥底にも、ストライカーとしての矜持がある。 ……私には見えてますよ」

それはさとりなりの叱咤激励であった。
他のフランスメンバーが活躍をしている中で未だに何も出来ていないボッシに対して出来る応援だった。
これを聞いたボッシは、しばらくは黙りこけ……遠くを眺めていたのだが……。
やがて小さく、しかし、力強く無言でうなずいた。


0ch BBS 2007-01-24