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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[581]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/26(土) 02:09:58 ID:???
だが、まだウルグアイのピンチは続いていた。
萃香が辛うじてゴールを守ったものの、それは本当に辛うじて――ボールは遠くに弾く事も出来ず、零れ球となったのだ。
それでも、本来ならばピンチではない。
低く守っていたフランスがこのボールをフォロー出来る筈もなかったのだから、DFがフォローしてクリアーすればいいだけの話だった。
……本来ならば。

テンテンテン…… コロッ

ボッシ「………………え?」
萃香「!?!?!???」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!

ジョン「あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああああああああああああっ!?
    なっ、なんという事でしょう!? ウ、ウルグアイ! 得点チャンスかと思われましたが……。
    しかし、しかし! DFのブラボー選手がカウンターシュートでビクトリーノ選手のパンサーファングを跳ね返したァッ!!
    萃香選手、懸命に弾きますが……尚もボールは1人ゴール前に残ったボッシ選手がフォロー!!
    まずい、まずいぞウルグアイ! ボッシ選手と萃香選手、一対一だァァァアアアッ!!!!」

そう、このボールをフォローしたのはフランスFWのボッシ。
点を決められなかった事で茫然とし、立ち尽くしていた男である。
そして、この試合、ここしかないという決定機を逃し続けた男でもある。
そんな彼に――この試合、最大のチャンスが舞い降りたのだ。

ドクンッ ドクンッ

ボッシ「あ……あ……(お、俺にボールが……!? ど、どうしたら……!?)」
ピエール「ボッシ、打てェ!! 相手は体勢を崩している!! 今なら入る!!」
さとり「(いけない……まるでこちらの声が聞こえていない……)」

先ほどのシュートの失敗で、ボッシは既に平常心を失っていた。
もう自分にはゴールを決める事など出来ないと、マイナス方向で確信を抱いてしまっていた。


0ch BBS 2007-01-24