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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[582]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/26(土) 02:11:19 ID:???
萃香「くっ……ボールを……返してもらうぞ!」

ダッ!!

これを見て、萃香は素早く飛び出した。
体勢を崩しながらもボッシに襲い掛かり、両手を伸ばしてボールを奪いに向かったのである。

ドクンッ ドクンッ ドクンッ

ボッシ「(ま、マズイ! ボールを奪われる! やばい、やばい、やばい……!!)」

心拍数が上がり、呼吸が荒くなり、ボッシは思わず視線を萃香から外した。
それ程までに迫りくる萃香の迫力は恐ろしく……そして、己にかかるプレッシャーに耐えられなくなったのだ。
このままでは萃香にボールを奪われる。抜くなり、シュートを撃つなり、何かをしなければ駄目なのは明白。
それでもボッシは動けなかった。

ボッシ「(……あ?)」

その時、ボッシは不意に観客席に見覚えのある人物を見つけた。
特徴的な髪形に、怒りの形相――こちらに向けて大声で何かを言っている、その人物。
それが誰だか悟った瞬間、ボッシは目を丸くした。

ボッシ「(ナポレオン!?)」

よもやナポレオンが試合を観戦に来ていたとは知らなかったボッシはそれを見て思わず驚く。
だが、その驚きは次の瞬間に消え失せた。ナポレオンが何を言っているか、大歓声の中でもしっかりと聞き取れたからだ。

ナポレオン「撃てェ、ボッシ!! テメェはストライカーだろうが!!!」
ボッシ「……!!」


0ch BBS 2007-01-24