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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[583]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/26(土) 02:12:59 ID:???
それは驚きでもなく、純粋な喜びだった。
ナポレオンにストライカーだと認めてもらえた――ボッシにとって、それは何よりもうれしい事実だった。

ボッシ「(ナポレオンが俺をストライカーだって言ってくれた……! そうだ……俺は……!!)」

シュッ!

萃香「!?」
ボッシ「へぼでもへっぽこでも……フランスJrユースのストライカーなんだァァァアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

シュパァァァアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

萃香「なっ……ばっ……!?」

ボッシの行動は速かった。自信を取戻し、己を取り戻したボッシは素早く右足を振りかぶった。
彼はここでドリブルで萃香を抜く事を考えず、シュートを撃つ事を選択したのだ。
……それは萃香の裏を掻いた。ここまでボッシをシュートに関しては二流の選手と決めつけていた為、ドリブルで来ると踏んだからである。
だが、裏をかかれても、萃香が一対一で負ける事などそうざらにある事ではない。
しかし、この時は条件があまりにも悪かった。セービングに行った直後の萃香は、体勢もロクに整っていなかったのだ。
それに加えて、ボッシの放ったシュートはただのシュートではなかった。

萃香「(ふざけんじゃないよ……! なんで、私が……こんな奴に……!?)」

パサァッ……ピピィーッ!!

短い振り足から放たれたのは、彼の必殺シュート――サーブルノワールの動作を早くしたもの、クイックノワール。
威力やスピードはもともと無いそれは、改良をすれば短い振り足でも蹴る事が出来るシュートだったのだ。
小さく弧を描いたボールは、萃香の手を掻い潜ってゴールネットに突き刺さり、審判の笛が鳴り響く。
こうしてフランスFW、ボッシは今大会初ゴールを決めたのだった。

フランスJrユース 1−0 ウルグアイJrユース


0ch BBS 2007-01-24