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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[586]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/26(土) 02:16:52 ID:???
さとり「(……素晴らしい。 これで1−0……このまま私が守り切れば、私たちの勝ち。
     ですが……当然、星熊勇儀たちはこのまま終わらないでしょう)」

それらを離れた場所で見ていたさとりは、不意に視線をウルグアイメンバーへと向けた。
残り30分、楽に過ごさせてくれないだろうという事を彼女は既に察知していた。

勇儀「なんてぇザマだい、萃香。 あんなのに点決められるなんて」
萃香「……言い訳はしないさ。 悪いが2点取ってきてくれ、もう二度と点はやらん」

ウルグアイゴール前では、鬼の2人が話し合いをしていた。
口調は朗らかではあるが、両者ともに表情は険しい。
鬼としてのプライドが、あんな弱者にゴールを許したという事を許していないのである。

ビクトリーノ「……残り30分で2ゴール、か」
勇儀「……とりあえずキックオフと一緒に一気にいく。 構わんね、大将?」
ビクトリーノ「実力的にも、時間的にも……ついでにお前のシュートの特性的にも、文句はねぇよ。 撃っちまえ」
勇儀「おう、まずは1分経たずに同点にしてやる」

暗い表情のビクトリーノは頭をかきながらスコアボードと時計を見やり……勇儀にキックオフ早々のシュートの許可を出す。
それと同時に勇儀は右手に持った杯をぶん、と横に思い切り放り投げ……。
この杯は、ベンチの誰も座っていない一角にぴたりとすいつくように着地をする。

勇儀「フランスJrユースってトコはキャプテンとストライカー以外見るトコが無いチーム。
   おまけにそこに派遣されたのは私らとは比べもんにならんくらいよわっちい地底の令嬢姉妹だ。
   ……そんな連中に本気を出すのは大人げないかと思ったが……どうやら遠慮はいらんらしいね」

勇儀は遠く離れたフランスゴールからこちらを見つめるさとりを強く睨み返し、吼えた。

勇儀「本気になった鬼に……覚り妖怪程度が敵うか!」


0ch BBS 2007-01-24