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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[631]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:43:53 ID:???
キュッ ダンッ!!

さとり「(ある程度は予想をしていましたよ……星熊勇儀! あなたなら、キックオフ直後にシュートをしてくるかもしれない……と!
     確かに、あなたの知る私ならこのシュートは止められなかった……!
     幻想郷にいた頃の私は、PA内以外のシュートにはまるで無力……! 距離があるシュートも、まるで止められなかった!
     しかし……!)」
勇儀「(ほう、前に出たか!)」

迫りくるボールに対し、さとりは果敢にも真っ向から挑みかかるようにして前に進み出た。
強く地面を蹴り、跳ねるようにしてボールに向かいながらそのか細い右腕を突きだす。
それは星熊勇儀の知る古明地さとりがしたならば、自殺行為としか思えない行動。
貧弱で、虚弱で、体力も筋肉もまるでついていない貧相な少女が、鬼の必殺の一撃に抗える筈が無いのだから。

ガチィィイイイイイイイイッ!!

さとり「ぐぅっ……!!」
勇儀「(逃げなかったのは褒めてやる……! だが……その腕では弾き返せん!)」

さとりの右腕は、綺麗にボールの中心部を射抜いた。しかし、そこまでだと勇儀は思った。
さとりの細い腕は悲鳴を上げるようにして小刻みに震え、ボールのパワーを殺し切れていないのが遠目にも見えたからである。


0ch BBS 2007-01-24