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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[660]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 02:39:43 ID:???
(BGM:守護神-The guardian      youtube

この一瞬の出来事を見て、観客席にいる選手達は誰もが思った。

ヘルナンデス「(あれは取れない! あれは……取れないんだ!!)」

イタリアが誇るヨーロッパNo.1キーパー、ジノ=ヘルナンデス。
彼は実際にウルグアイと戦い、その勇儀のシュートにより2失点を喫していた。
ある意味ではこの中で一番勇儀の恐ろしさを知っている彼は、これは止められないと断定をした。

ミューラー「(こんなシュートが……あるというのか……!?)」

西ドイツの怪物キーパー、デューター=ミューラー。
彼は勇儀のこのシュートを見、思わず心が震えるのを自覚した。
野生の動物というのは本能的に強者という者を見極め、怯え、逃げる。それは自己防衛の為に備わった、動物の本能。
野性児と言って差し支えの無い経歴を持つ彼は、本能的にこのシュートを恐れた。

シュナイダー「(これが決まらない筈が無い……!)」

同じく西ドイツのストライカー、カール=ハインツ=シュナイダー。
彼はこのシュートを見た瞬間、確実にゴールを貫くと確信を持った。優れたストライカーは優れたストライカーを知る。
一目見ただけで、ドリブルやパスといった一連の動作――フリー状態でなければ撃てないというマイナス要素はあるものの。
このシュートだけは間違いなく大会屈指のものだと――星熊勇儀の実力は本物だと、シュナイダーは理解をした。

日向「(畜生……!)」

全日本のストライカー、日向小次郎。
彼はただただ歯噛みをし、悔しさを表に出さないように必死に耐えた。
猛虎と呼ばれる己が可愛く見える程に、星熊勇儀のシュートは破壊力も威力も上。
この大会が始まる前から――そして、始まってからも幾度となく己の地位を脅かし。
己の上を行くストライカーを見てきた彼は、もどかしい思いで吼えそうになるのを耐えていた。


0ch BBS 2007-01-24