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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】


[671]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 23:06:43 ID:???
勇儀「……お前さん、本当にあの地底のご令嬢かい? 本当に、あの古明地さとりかい?」

勇儀は思わず、ボールを持ったままのさとりにそう問いかけた。
古明地さとりは確かにPA内での全ての行動に強く、その分野では圧倒的な力を見せていた。
だが、それにはただ一つの例外があった。
それは、さとりの貧弱な体では到底抑えきれないようなパワーシュートにはさとりセービングは適用されないというもの。
事実、幻想郷にいた頃はその弱点を突かれ、さとりは幾度となくゴールを許してきていた。
故に、勇儀は信じられなかった。
破壊力だけで言えば間違いなく今大会でも随一の自分のシュートが、例えPA内から撃たれたものだとしてもさとりに止められたという事に。

さとり「……私は古明地さとりですよ。 もっとも、貴方の知る私ではないでしょうが……」

さとりは口元を僅かに吊り上げて微笑を浮かべながら、小さく呟いた。
フランスへの派遣が決定し、全てに絶望し、自暴自棄となっていたさとり。
派遣された国は他の派遣選手が送られた国に比較をし、比べ物にならないくらいに弱い弱小国。
派遣をされたこいしとさとりも、他の国に派遣されたレミリアや永琳、四季映姫といった幻想郷トッププレイヤーには到底及ばない実力者。
おまけにその頃、さとりは精神もプライドもズタズタにされていた。
幾度となく失点を重ね、ザルキーパーと揶揄されるようになった彼女は、もはやサッカーを恐れてすらいた。


0ch BBS 2007-01-24