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【崩落のステージ】Another-C_9【 後篇 】


[324]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/12/12(月) 18:40:30 ID:???

ジョアンはアルシオンの方を見ていた。
彼は目を伏せ、どこかとも判らぬ方へ顔を向けてこちらを見ようともしない。
アルシオンに何があったのかジョアンには想像もつかず、取り敢えず目の前の修正を急いだ。

ジョアン「私の指示は『パスのみでボール運びをする』だ…。 以前伝えた時と何も変わっていない。
      前半終盤の事を問うつもりはない、後半を期待している。」

それだけ口にして、ジョアンは控え室の入口へ歩き出す。
自分の希望する事は以上であり、それに対して言葉は他に必要ないと思ったのだ。
ジョアンは提供された観戦室に戻り、後半が開始されるのを待つ…そのつもりだった。
それ以外の事は全て予想外だった。

アルシオン「…いいえ、ダメです監督。」

ピタッ

思いもかけぬ言葉、思いもかけぬ人物から発せられた言葉。
ジョアンはピタリと足を止め、声の出た方を振り向く。
勘違いや聞き違いであると思いたかった事だろう。
しかしアルシオンは今…先程とは違いジョアンの方を真っ直ぐに見据えていた。

アルシオン「それでは奴らを叩き潰せません。」

ジョアン「アルシオン…私はこの試合、相手を叩き潰すのが目的と言った覚えが無いが?」

『アルシオンは何を言っているのだろうか?』という思いが頭の八割を占めていた。
何が起こっているのか、何を言うべきなのか、彼が何を考えているのかジョアンは考える事が出来ず…
ただ数日前にアルシオンに伝えた内容、その事実を確認するようにジョアンは問うたのだ。



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