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【崩落のステージ】Another-C_9【 後篇 】


[359]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/12/13(火) 22:00:06 ID:???

クスタ「必ず戻って来ますよ・・・ジョアンコーチは。 ・・・私はそれを待つ。」

それだけ言うと、クスタは立ち上がって扉へと歩き出した。
最後に彼が見せた瞳からは、まるで何事にも動じぬ山のような決意が感じられた。
先程から黙ったままのフィッツウォルタだが、その意気を感じぬ筈も無く・・・
そしてディッテンベルガとイスラスの理屈も解らぬ筈も無く・・・彼は決意の在り方を迫られていた。

フィッツウォルタ(そうか・・・クスタ、キミはコーチの戻ってくる場所を守るんだな。
          ・・・それがキミの選んだ道というわけか。)

バタンッと閉まるドアの音を聞きながら、フィッツウォルタは一人取り残されていた。
隣にはまだイスラスとディッテンベルガが居るが、それでも彼は取り残されていた。
クスタらが迷いを振り切っていく中、まだ彼の心には爽やかな風が吹いていないのだ。

フィッツウォルタ(決意・・・いや、覚悟か・・・・・・。
          道なき道を切り開き、歩き出す覚悟・・・。)

これまでフィッツウォルタが歩いて来たのはジョアンにより示された道ばかりだった。
勿論、彼は彼で自らのスタイルや目指す目標を持っていたが、しかしそれはジョアンの掌の中、守られた道・・・。
そう言った意味で、彼はまだ運命の奴隷と言って良い。



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