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【崩落のステージ】Another-C_9【 後篇 】


[761]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/01/13(金) 16:08:40 ID:???

心臓病を完治させ、ガラスのエースの名を返上した。
技術を磨き、最新の戦術を勉強して、確固たるチームの強さという物を知った。

三杉(強い選手を11人集めても、そのチームが勝つとは限らない・・・
    どんなに強力な個が相手でも、チーム戦術が機能すれば負けない・・・)

本当の強さとは何なのか…個人技や突出した一人に頼る物ではないと、彼は大きな信念を得たのだ。
しかしそこに掲げられたスコアは、目の前に広がる光景は・・・それが砂上の楼閣≠セったと告げている。
口にして呟いた自身の信念は、空虚な音で彩られていた。

そして三杉は膝を折った。
その場にへたりこんでしまった。

三杉(イタリアに渡ってから・・・いや、リハビリを含めたこの3年間・・・この諦めを知る為にあったのか?
    片桐さんに啖呵を切り、全日本ユースに宣戦布告して・・・これからの為にと選んだ結果がこれか?
    結局のところ僕は全日本ユースにとって、いや日本サッカー界にとって裏切者にしか成れない・・・?)

失意の波がグルグルと彼を取り囲み、そして打ちのめした。
三杉はこの時点から試合終了までの5分弱をほとんど覚えていない。
彼は無意識にボールを追って走りながら、3年の年月を邂逅しようとしていた。
フランス国際Jrユースで世界一を飾った後、闇の源と言える心臓病を完治させてからの日々を。
しかしその道程も、深い霧がかかっている様に薄ボンヤリとし、上手く思い出す事が出来なかった。

彼は18年間生きてきた中で、初めて本当の意味での諦めを知った。
それは絶望ではなかった。
絶望よりも下に存在する物・・・即ち無気力であった。



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