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【崩落のステージ】Another-C_9【 後篇 】


[872]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/01/18(水) 18:04:04 ID:???

ナジーブは本音を見抜かれた気がして、少々ドキリとした。
腐ってもジョアンの弟子、そしてアンザーニの弟子でもあるフィオレンティーナの元プリマ達…
奴等は既にカンピオーネを体験しており、そしてWトーナメントまで、まだ1年の期間がある。
今は取るに足らない存在に違いないが、いずれ足下を掬うまでの存在にならないとも限らない。

フィオレンティーナを叩くのは、投資の回収も意味していたが、
不安の種を完全に刈り取っておく…それこそがナジーブの本当の狙いであった。

ナジーブ「同じ輩に二度噛みつかれるのが我慢ならぬだけだっ!」

だが臆病な本心を口に出すのはプライドが許さぬらしい。
彼は傲慢な言葉でそれを被い隠した。

ナジーブ「クソッ・・・」

興奮のせいか、それとも大声で捲くし立てたせいなのか・・・
ナジーブは妙に喉が渇いているのを自覚した。
グラスは床に叩きつけてしまったので、ビンを手にとってグイッと一口。
高貴な甘さが口に広がり、生命の活力が身体に注がれる錯覚を覚える。
・・・だが、それも僅かな時間だった。 喉の渇きは不思議と消えず、更に催してくる。

ナジーブ「クッ、まあいい・・・いずれにせよ脆弱な蟻の巣が残ったに過ぎないのだからな。
      改めて奴等を表舞台から弾き飛ばせば済む事だ。」

苛立ちは拭えぬ物の、彼は次に動くべき事を考えようとした。
彼にとってはあくまで予定が一つ停滞しただけ、これを決着に持っていく事は可能だ・・・と。
それを口にしなければ、或いは今夜、彼は美酒を気持ちよく飲みきる事が出来たかも知れない。
だが彼はここで予想もしない事態に直面する。



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