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1- レス

【この借りは】Another-CU_1【必ず返す】


[857]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/14(水) 16:45:12 ID:???

そして自分達のユニフォームはフラッグの地色と同じ紫のすみれ色である事に気付く。
先程まで選手達の心に固着していた惨憺たる絶望感、閉塞感…
それらはいつの間にか融け、昇華して、何処ぞへと吹き飛んで行ってしまっていた。

ミハエル「心に響きますねぇ、ジュン・ミスギ。」

三杉「ああ………。 不思議だよ、観客の応援でこんな気持ちになるなんて。」

それは小学生時代に受けていた三杉個人への黄色い声援とは全く違っていた。
サッカーをしているのは所詮自分、サッカーは自分とチームメイトの戦いだと三杉は考えていた。
ゆえに女の子達が向けてくる熱い声援に対し、その苛烈さにうんざりする事はあっても、元気になる事はなかった。

しかしこのフィレンツェ市民の声援はどうだろうか?
彼等はまるで三杉達ヴィオラ選手と自分達が一体化のように、文字通り魂を込めた声を投げて来ている。
セリエAの名門フィオレンティーナは消滅し、ヴィオラとしてセリエC2に生まれたばかりだと言うのに。
まるでフィレンツェ市民はそれぞれの人生を賭けたように三杉達を応援しているのだ。

三杉には…いや、ヴィオラ選手達全員に、かつて存在した事の無い気持ち…
『ここに居る、フィレンツェの人々の為に勝ちたい』という決意が生まれていた。


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