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キャプテン森崎外伝スレ10


[270]超短編投稿者 ◆KvvS7KSt.A :2012/06/06(水) 12:36:22 ID:???

丙月丁日。いつものように研究員が私のところに幾つか助言を得にやってきた。
それに応じてアドバイスをした後、その研究員が「これは私の管轄外ですが」と前置きして、私に尋ねた。
「翼くんのことで気になることがありまして」
「翼くん?何か問題でも起こしたの」
「いえそういう訳では…ただ最近、私達研究員や職員に、あなたはどこにいるかと尋ねられているんです。
なんでもあなたに聞きたいことがあると言っています。何を聞きたいか、私達が聞こうかと言っても
耳を貸さず、あなたへの場所が教えられないと知るやそのまま去ってしまうのです。」
「そう……近いうちに私が翼くんの所へ出掛けて、何が知りたいのか尋ねてみるわ」
研究員が去った後、私は病室の電気を落として横になった。ふっと息をついて瞼を閉じた瞬間、
涙が両眼からあふれ出た。
研究員が訪れる前、医師から「どれほど長く見積もっても、余命はあと数カ月」と告げられていた。
何年も前から病弱ゆえに何度も死に瀕してきたから、死ぬこと自体は怖くない。
人生最後の研究成果となるこの人造人間開発も、全てのノウハウや注意点は既に明記していて、私が
死んだとしても大過なく進めることが出来るようになった。
なのに何故か、翼くんの顔が瞼に浮かぶたびに、目頭が熱くなるのをどうすることもできない。
…生きているうちに必ずもう一度、翼くんの所に行って思うところ考えていることを告げなくては。


0ch BBS 2007-01-24