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キャプテン森崎外伝スレ10


[558]もう1つの野望:2013/01/10(木) 06:16:28 ID:YeiIWiWw
賀茂港は破天荒な人物ではあるが、一般的な常識も持ち合わせていた。
要人と会うときはスーツだって着てみせる。
ただ、この日、彼は日本有数の財界人と会うというのに、ラフなTシャツ姿であった。

東京都中心部の某地に建てられた高層ビルの42階、
瀟洒なドアの向こうは広々とした会議室である。
360度張り巡らされたガラスの向こうには都心を見渡せる景色が広がっているが、
賀茂が訪ねてきた時は分厚いカーテンで覆われている。
たいがい密談が行われるためだ。

円卓の向こうにはサングラスをかけた長髪の人物が座っている。片桐である。
日本代表強化に影ながら努めてきた彼は、この年、父親から片桐財閥のすべてを引き継ぎ、
日本でも、いや、世界でも有数の財界人となっていた。

賀茂「よう、久しぶりだな」

賀茂が向かいに座る。

賀茂「今度は何を悪だくみしている。……そういえば、見上はどうした? 遅刻しているのか?」

彼らがこうして集まるときは、日本代表の強化への相談である。
その際は、見上も含めた3人で話し合うのが常であった。

片桐「……見上さんは来ません」

賀茂「それはどうした了見だ」

片桐「ふっ。悪だくみですよ。……見上さんは反対するでしょうから、呼びませんでした」

そして、片桐はこんなことを云いだすのだった。

片桐「私には、もう一つの野望がある。あなたなら手伝ってくれると信じ、ここに呼んだんですよ、賀茂さん」



0ch BBS 2007-01-24