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【再び】キャプテンEDIT37【全国へ】


[344]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/06/18(月) 01:45:48 ID:???
早苗「あらあら。キャプテンもすっかり女の子らしい考え方をするようになられましたねー」

ふらりと、木陰から早苗が姿を現した。

武居「か、からかわんでくださいよ早苗さん……そんなことより、良いんですか? ヤツに何も言わんで」

先月の大会で、早苗の最後の相手となった選手である大前。
その彼に何も言わないままでいいのかと、武居は問いを投げる。
せめて、事情の一つは話しておくべきではないのか、と。
対して、早苗はふるふると首を横に振った。

早苗「大前さんも全国に集中したい時期でしょうからね。横合いから関係の無いことを持ち込んで、気にさせちゃうのもなんですし」

武居「……本当に良いんですか? あの試合を戦った相手が、思い出に残るべき選手が、貴女のことを忘れてしまっても」

もし大前が早苗のことを忘れているようなら、話を合わせろ。
事前にそう言い含められていて、それに従った武居だが、本心では納得し難かった。
あんなにも熱い勝負を繰り広げ、更には早苗のサッカーに幕を引いた大前が、彼女のことを忘れるなど。

早苗「仕方ないですよ。『向こう』に行くには、この世界の大部分に忘れてしまれなければならない。
……実際に忘れられかけているのは、ちょっとショックですけど、しょうがないでしょ。
『こちら』に残っている信仰の力だけじゃ、神奈子様と諏訪子様をこれ以上とどめておけないんですから」

年々失われつつある守矢神社の信仰。
その減少は、たとえ赤口中サッカー部の面々が熱狂的な崇拝を捧げても、到底補いうるものではない。
あるいは、鳴紋中と清栄学園を破り、全国でも優勝することが出来たら、その話題性をもって信仰を復活させられたかもしれないが、

早苗「――サッカーの神様も嫉妬深いですねー。ちょっとくらい、この国の神様にも力を分けてくれてもいいのに」

武居「早苗さん……」


0ch BBS 2007-01-24