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【ヤベッチュ外伝も】Another-CU_4【超よろしく】


[654]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:36:25 ID:???

陽子「まずは(ry」

目を丸くする翼と森崎に対し、陽子は事務的な口調で全日本サッカー協会からの祝辞を述べた。
祝辞とは二人が共にプロ予備軍ジュニオール≠ノ昇格し、あまつさえキャプテン就任した事に対してである。
正直二人が昇格してから時間が経っているが、恐らく二人揃った席で伝える事が決まっていたのだろう。

森崎「…話ってのはそんだけかい?」

陽子「ううん…話はここからよ。 二人には来年、Wトーナメントの代表になって貰う予定がほぼ確定してるけれど… 省20

[655]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:37:52 ID:???

陽子「ええ。 規模は小さいですが、一応FIFAにも認定を貰ったユースクラスの国際大会です。
    そして目的の第一は国内組に世界と自分達の実力差を認識させる所にあります。」

森崎「ほほぅ…」 ニヤリ

弱者を甚振(いたぶ)るビジョンでも見えたのか、森崎は悪そうにほくそ笑んだ。
翼の方は特に何も口を挿まずに耳を傾けている。

陽子「パルメイラスかサンパウロ、どちらかのチームにブラジルのレベルをみせつけてもらう訳ですが… 省21

[656]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:39:04 ID:???

陽子「翼くん、本当はこれに三杉くんのチームも招待される筈だったのよ?」

翼「!!」

森崎「はっ? 三杉?」

どういう事かと言わんばかりに森崎は二人の顔を交互に行き来させた。

陽子「森崎くんは知らなかったようね。 まあ私も翼くんから聞かされて初めて知った事だし、仕方ないか。」

森崎「どういう事だよ翼。」

翼「どういう事も何もないさ。 三杉くんは心臓病を治し、今はイタリアでプロ予備軍に所属している。」
省12

[657]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:40:19 ID:???

陽子「プロジェクト・カウンターウィングの事は覚えている? 翼くんと森崎くんを競い合わせ、日本サッカーの
    レベルを劇的に上げる為のヒーローを作り出す計画…あれの一環で、森崎くんにも伝えておくわ。
    今度サンパウロが三杉くんのチーム、フロレンティア・ヴィオラと練習試合を行うの。」

翼「………」

森崎「な、なにぃーっ!?」

陽子「どういう経緯でそうなったか私は知らされていないし、日本サッカー協会もこれに関わってないわ。 省23

[658]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:41:52 ID:???

翼「…別に無いよ。 スタンドで大人しくしてくれるんならね。」

森崎「へっ、抜かせよ。」

陽子(ふう、どうやら任務完了みたいね。 どうなる物かと思ったけど、なんとかなったわ。)

正直この話をする事で森崎が激昂する懸念があったが、どうやらそんな事態にはならなかった。
翼についても少々ヘソを曲げたかも知れないが、それだけである。
陽子は結果に満足し、安堵の息をつく事が出来た。
省17

[659]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:43:36 ID:???

クール…というのを越えた、ドンヨリしたオーラが翼から発せられているのを森崎は気付いた。
恐らく過去に翼をよく観察し、その性質を知り抜いているが故の敏感さだったに違いない。

森崎(弱気…いや、嫉妬か? こいつが? …いや、まさか。)

カップに手を伸ばし、コーヒーをすする翼。
そんな翼の一挙手一投足に森崎は目が離せなかった。
『俺の知ってる翼と違う…』そんな心積もりであったのだろう。

森崎「お前…そんなんだったら、その試合に出るんじゃねーよ。」
省11

[660]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:44:52 ID:???

翼「お前にそんな事を言われる筋合いはないし、気が乗らないとか勝手に決め付けるな!」

森崎「だったら試合で見せてみやがれよ! 三杉がどんだけ成長してるか知らねえが…
    俺だってブラジルで3年間、血反吐を吐く思いでプロ目指してきたんだ!
    その俺の顔を潰す事は許されねえ!」

翼「なっ…! 勝手な事を!! お前の為になんかやる筈がないだろう!
   俺は俺の為に全力を尽くす! この3年間の成果を見せつけてやるのさ!」
省8

[661]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:46:02 ID:???

森崎「…ご馳走さん。 陽子さん、さっきのジャパンカップのオファーの話だけどさ。
    もしパルメイラスとサンパウロが同じ順位で終わってしまったらどうなるんだ?」

陽子「え? うーん…そうね…その場合は互いのクラブチームとの交渉条件で決まるんじゃないかしら。
    実はサンパウロともパルメイラスともまだ交渉中で、完全に参加が決まったって言う訳じゃないのよ。
    と言っても日本サッカー協会はお金だけは有り余ってるから、断られる事は無いと思うけどね。」 省22

[662]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:47:14 ID:???

陽子「あの〜、二人とも…熱血は時と場所を選ばないと変な噂が立つわよ?」

森崎・翼「…あ」

周囲を見回すと、喫茶店のマスターがニヤニヤと聞き耳を立てているし、
他の客についても全員がこちらに大注目していた。

森崎は入ってきた時よりもバツが悪そうに、そそくさと店を出て行った。
翼もその後ぶつくさと森崎への文句を零したが、間もなく帰路へとついた。

陽子は翼を見送ると、疲れた顔で伸びをした。
省22

[663]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:48:42 ID:???

<ブラジル・グアルーリョス国際空港>

レントゥルス「着いたーーー!」

ダラピッコラ「はっはっは、おいでやすだぜブラジル!!」

三杉(ふう、相変わらず酷い目にあった…。 ロングフライトでのエコノミーは本当に勘弁して下さい…)

フロレンティア・ヴィオラの面々はブラジル・サンパウロ最寄りの空港に降り立った。
フライトの疲れを色濃く残している者、元気いっぱいに残している者と様々であるのだが、
ちなみに…

キンコーーーーーーーン
省17

[664]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:49:51 ID:???

オワイラン(これはひどい。)
スペルマン(…っていうか、よく出国できたよね。)
オジオ(イタリア人の適当さゆえだね…。 って言うか、ロシア人にそれを言われたくないなぁ。)

新田(…って言うか、やっぱロボじゃん!)
ミュラー(解せぬ…)

押し問答した物の、今回M沢くんはイタリアへ送り返される事になった。
取り敢えず戦力には大きな影響なしという事で、選手達はこの件を見て見ぬ振りするしかなかった。
省16


0ch BBS 2007-01-24