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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[104]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/07/29(日) 18:31:14 ID:???
***
傭兵大隊の突撃により隊列を乱したヴァルファ隊に、しかし同様に混乱を極めるドルファン隊が
後退の指示すら耳に届かない様子で雪崩れ込む。
結果、凄絶な潰し合いが始まった。
炎天下、陽炎すら立ち上らぬその赤い平野に満ちるのは、鉄錆の臭いのする湯気である。
血溜まりが夏の乾いた土を泥濘へと変え、足を取られた兵たちは熱に浮かされたように
その鮮血に染まった刃を眼前の影へと振り回す。
それが生きた敵であるのか、あるいは立ち往生を遂げた骸であるのかも、既に見極められていない。
戦術も指揮系統も意味を成さぬ、それは生への執着を問うような、この世の地獄であった。
***
※指揮官死亡(ドルファン第四大隊3)
ぜひゅう、ぜひゅう、と。
奇妙に甲高い音がする。
ぱっくりと口を開けた傷、その気管までを切り裂いた傷から漏れる、呼吸音であった。
息ができないことにようやく気付いた男が、裂けた胸を掻き毟りながら斃れる。
男は、部隊長であった。
指揮官の死に、まだ生き残っていた男たちが恐慌の声を上げながら我先に逃走を始めた。
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0ch BBS 2007-01-24