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1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[124]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:13:36 ID:???
「ヴァ、ヴァルファ……!」
「お逃げ、お逃げ下さい、マルセル様……!」

従卒の叫びが虚しく響く。
小高い丘の向こうから駆け下りてくるそれを躱すだけの脚など、最早残ってはいなかった。
たとえば男の鎧が泥に塗れ血に汚れ、その輝きを失ってさえいなければ、何かが違っていたかもしれない。
たとえば赤い鎧の兵団が丘の向こうから突如として現れたのではなく、遥か平原の果てから迫り来るのを
男たちが認めていれば、あるいは逃げおおせることもできたのかもしれない。
あらゆる過程は、無意味である。
男たちにできたのは、瞬く間に眼前へと押し寄せてくる軍勢、自らに絶対の死を下すその赤い波を、
ただ呆然と見やることだけだった。
一瞬の後。馬蹄が、二人の男を踏み砕いた。


***

※全滅のため、味方3の移動がキャンセルされます。



0ch BBS 2007-01-24