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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[233]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 22:30:42 ID:???

「な……あれはモリサキ隊の仕業だと仰るのですか!?」

仮に設けられた狭い幕舎の中に谺したのは、トニーニョの声である。

「他にいないだろう。俺たちに覚えがないのなら、な」

事も無げに頷いてみせるヤング。

「この森で待ち受けるという作戦は少し先延べになったが……混乱が収まれば、
 奴は再び俺たちに向かってくる。全隊に、気を緩めるなと伝えておけ」
「はい……。しかし、なぜ隊長はそこまで敵の行動を読めるのですか。まるで……」
「まるで昔からよく手の内を知っている相手のようだ、か?」
「……」

沈黙は肯定である。

「フ……俺とて、昔はハンガリアの狼と呼ばれた男だ。いくさ場には色々と断ち切れぬ縁もあるさ」
「……」
「さ、わかったら行け。モリサキたちが作った時間、無駄にするな」
「……はい」

促され、幕舎から出ていくトニーニョ。

「……断ち切れぬ、か」

故にヤングの呟きは、その耳には届かない。

「俺はこの時が来るのを願っていたのか、それとも来ないことを祈っていたのか……。
 貴様はどうだ、なあ、セイルよ」

***


0ch BBS 2007-01-24