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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[312]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:22:48 ID:???

「モリサキ! モリサキ、いるか!?」

その一団が駆け込んできたのは、森崎隊が次の攻撃に備えて準備を整えようとしていた頃のことである。

「どうした……って、トニーニョ!? お前、どうしてここに……!?
 それに、その傷……」

出てくるなり森崎が目を見開く。
傷ついた一団、傭兵たちの先頭に立っていたのはトニーニョである。
そこかしこに巻かれた汚れ布に滲む血は激戦を潜り抜けてきたことを示していたが、
しかし息せき切って走ってきた、その五体に深刻なダメージはないようだった。

「俺のことはいい、それより……!」

荒い呼吸の中、トニーニョが告げた、その内容に一同が絶句する。

「嘘……だろ? ヤングのおっさんが……死ん、だ……?」
「敵の軍勢はあらかた仕留めたが……敵将だけが、止められなかった」
「くっ……!」

その死に衝撃を受ける間など、ありはしなかった。
情報は瞬時に伝わり、全軍に計り知れない動揺をもたらすだろう。
てんでに潰走を始めれば、それこそ取り返しのつかない損害を被ることにもなりかねなかった。

「……わかった。残ってるのは一人だな。トニーニョ、お前はとにかく隊の連中を取りまとめて、」

言いかけた、ときである。

「―――ヤング・マジョラムの子らよ、聞け!!」

戦場に、その声が響き渡った。


0ch BBS 2007-01-24