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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[351]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:31:18 ID:???
***


胴への鋭い突きを、前に出した右足を軸に回避。
続いて払い、と見せかけた短いモーションからの二段突を、今度はバックステップで躱す森崎。
開いた距離に、三つ目の突きが来る。
風を巻き、正中線を狙って伸びてくる、それこそが森崎の待っていた攻撃である。
誘った、といっても過言ではなかった。

(……これなら!)

踏み込めば、一直線に貫かんとする槍は、森崎の脇を僅かに掠めて後ろへと逸れていく。
盾を使うことすらない、見切り。
それを可能としていたのは言うまでもなく相手、ネクセラリアの動きの鈍りであった。
時を追うごとに突きは遅く、払いは鈍重になっていく。
今や、その穂先の動きは森崎の目に完全に捉えられている。
二歩、踏み込んでの片手突き。

「……っ」

重い手応えは、剣先がネクセラリアの真紅の鎧、その胸元を抉ったものである。
刃はそのまま鎧に弾かれ、しかし森崎は体制を崩すこともなく剣を引いた。
間合いの内側ぎりぎりからの変則的な攻撃には、鎧を纏った敵を一刀に屠るだけの威力など
もとより望むべくもない。
ただ敵の構えを崩し、間合いを揺さぶり、一撃、一撃をとどめへの布石としていく。
それが狙いである。

「……賢しいぞ、小童ッ!」


0ch BBS 2007-01-24