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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[398]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/28(火) 00:32:41 ID:???
言われ、ネイもまた小さく息をついて窓を見やる。
開け放たれた窓の外には夏空が広がっていた。
「……生きてる、なあ」
「生きてるな。酒も美味い。女の子も可愛い。生きてるぜ、俺」
そう言ったネイの長く伸ばした前髪を、微かにそよぐ風が揺らす。
ニヤリと笑って、森崎が言った。
「俺のおかげだぜ。感謝しろよ」
「しょってらあ。その分隊長サマが病院送りになってりゃ世話ないぜ」
軽い冗談を交わし合って、笑う。
「―――生きてんなあ、ちくしょう」
六十一人と、一人。
死者の名は、出さない。
降りた静寂を、窓の外から聞こえてくる蝉の声が埋める。
欧州でこれほど蝉が鳴くのは南欧マルタギニア海の沿岸くらいだという。
蝉しぐれ、とでもいうような鳴き声の波に、ぼんやりと思い起こされるのは
遥か遠い故郷の光景だっただろうか。
「……そうだ。可愛い女の子といえば、モリサキ」
「あァ? 何が、といえば、だ」
沈黙を無理に破るように唐突に話題を変えたネイに、森崎が片眉を上げる。
「いや……ここんとこ、お前のこと、よく聞かれるんだよ。
ヴァルファをやっつけた東洋人ってどんな人? カッコいい? ……ってさ」
「へぇ。それで、何て?」
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0ch BBS 2007-01-24