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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[407]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/28(火) 00:42:38 ID:???
それだけを告げ、歩き出した森崎の前。
歩を遮るように立つ、影があった。
「ユーゾー・モリサキさん、ですネ?」
「……?」
いきなり名を呼ばれ、森崎が眉根を寄せる。
立っていたのは壮年の男である。
「おっト、そう警戒しないでくださイ。怪しい者ではありませン」
「……」
そう告げた男の、しかし怪しさはこれ以上ない程である。
灰金色の頭髪を丁寧に油で撫でつけたオールバックに、几帳面に切り揃えられた顎髭と、
首から上はひとかどの伊達男といった風情。
しかし、その服装たるや惨憺たる有様である。
素肌の上に直接着ていると思しき、乱暴に二の腕までまくり上げられたシルクのシャツはまだ許せる。
ボタンを上からいくつ開けているのか、筋骨隆々たる胸元が大きくはだけているのも、
不快ではあったが男所帯の傭兵団ではまだ見慣れたものといえた。
が、そこに農夫の如き朽葉色の麻ズボンが合わされると、これは奇妙を通り越してひたすらに胡散臭い。
「……何者だ、あんた」
「オゥ、ひどい距離を感じマス……」
大袈裟に肩をすくめた男が、訛りの強い語尾でそう言うと、ため息をつく。
しかし森崎は警戒を解かない。
葬儀帰りのこと、帯剣こそしていなかったが、徒手空拳でまるきり戦えぬというわけではない。
黒衣の下、そっと固めた拳はいつでも繰り出せるように油断なく構えられていた。
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0ch BBS 2007-01-24