※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ 現行スレ 投票 最新20

1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[441]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:04:24 ID:???
「トニーニョ、おい、トニーニョって!」
「……ああ。すまん、聞いている」
「いや、聞いてるじゃなくてよ……まあ、いいや」

肩をすくめる森崎に、

「……」
「……」

トニーニョは、再び黙り込んでしまう。

「……どうしたんだって、聞いてもいいか」
「……」

ともすれば不機嫌に見られがちな仏頂面に、今は何か違う色が浮かんでいるように見えて
森崎が問うのへ、トニーニョは答えず馬の腹を軽く蹴る。
行け、の合図に歩みだしたトニーニョの馬が、すぐに速歩にまで加速した。

「お、おい……! 待てって!」

慌てて後を追おうとする森崎は、だがすっかり馬に見くびられている。
手綱を引けば首を振られ、腹を蹴れば振り落とされそうになり、その内に相手をするのが
面倒になったのか、仕方がないとばかりにのろのろと歩を進める馬に頭を抱えながら
どうにかトニーニョの消えた方へと鼻を向ければ、果たして仏頂面はすぐ茂みの向こう側にいた。
森崎たちを待っていたのかどうか、その悄然とした様子からは窺えない。

「俺は、」


0ch BBS 2007-01-24