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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[458]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/09/07(金) 00:39:05 ID:???
「何か、あったのか?」
「もしかして、『また』……か」
「……?」
ぽそり、と口にしたネイの声音は苦々しい。
目を閉じて大きなため息をつく、そんなネイの表情を森崎は見たことがない。
「ったく……いい加減、慣れろっての……」
「何だよ、それ」
口の中だけで呟くような言い方に焦れた森崎が言うのへ、ネイが小さく首を振る。
「いや……まあ、なんつーか……トニーニョのヤツは、『ご主人様』を亡くすのが……。
昔のコトで、ちょっとな」
「……」
あからさまに言葉を濁したネイの様子は、話せるのはここまで、と口以外の部分で雄弁に語っている。
今はまだこれ以上踏み込めないと判断した森崎が、口を真一文字に引き結んで天を仰ぐ。
しばしの沈黙の後、軽く頷いたネイがぽん、と森崎の肩を叩いて馬の腹を蹴る。
「まあ、俺の方でも気をつけとくよ。ヤバそうなら早めに報告、入れるからさ」
「お、おう。……よろしくな」
片手を上げて遠ざかるネイの後ろ姿を、森崎は見る。
鞍上の長い黒髪は、まるでその背にこびりついた過去という黒雲のように、ゆらゆらと揺れていた。
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0ch BBS 2007-01-24