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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[463]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/09/07(金) 00:44:15 ID:???
「この人、は……?」
「傭兵大隊の酒保商人、許商会の代表さんデス」
『酒保……って、いつも売店開いてる、あれ?』
知らず生唾を飲み込んで聞いた森崎に、ルーカスがあっさりと答える。
酒保商人とは、軍を相手取って総合的な商売を行う商人である。
行軍に随伴してその名の通りの酒や食料の販売、武器弾薬の補充や補修のみならず
芸人、詩人、娼婦といった娯楽の提供から炊事洗濯などの日常サービスまで
およそありとあらゆるものを取り扱う、いわば戦場における生命線であった。
「酒保……? 先月まではニコラ爺さんがやってただろ」
「彼は地元で雇った小売商よ。実際にドルファンの傭兵大隊で酒保を担当してるのは私たち許商会」
短い期間ではあったが何度か世話になった、人の良さ気な老爺の顔を思い浮かべる森崎に、
直接答えたのは女性である。
「ニコラさんが引退して田舎の娘夫婦と同居するっていうんで、これからは私が直接、
貴方たちの面倒見ようってわけ。
ようやく本格的な戦争が始まって、仕事もこれまでとは比べ物にならないほど大口になりそうだしね」
そう言って、白くたおやかな手を差し出す女性。
「徽商・許商会、許子先の娘、許陽子(スー・ヤンズゥ)よ。よろしくね」
「森崎有三だ。こちらこそよろしく頼む」
「期待してるわよ、八騎将討伐の隊長さん?」
握り返した手を離さずに言う女性に小さく肩をすくめて、森崎が話題を変える。
「で、徽商……てーと、やっぱ中華の商人か」
「見ての通りね」
微笑むと手を離し、長い袂を夏の風に揺らして、優雅に中華風の礼をしてみせる女性。
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0ch BBS 2007-01-24