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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[479]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/09/11(火) 23:40:18 ID:???
「……周りの目が白いんだが」
窓のない半地下の店内では、夕刻にもまだ早い時分から幾組かの客がグラスを傾けている。
客といっても仕事にあぶれ、酒に溺れるという類の酔漢ではない。
避暑に軽くアルコールを嗜む富裕層の婦人とその従者や、あるいは商談を交わしているらしき
異国の商人たちなど、落ち着いた佇まいの店に相応しい人々である。
陽が落ちれば雇いの音楽家による演奏が始まり、酒そのものや店の雰囲気を味わう客層も
姿を見せ始めるだろう。
キャラウェイ通り北、『砂丘の星』亭はそういった店だった。
「アタシだって、もう帰りたいよ……」
「つまらん見栄を張るからだ」
森崎たち腰掛けるのはカウンター席である。
振り返らなければ他の客の様子は見えないが、しかし背中越しに感じる視線は気のせいではないだろう。
原因は隣に座る少女、レズリーであった。
「はあ……」
大きなため息に艶はなく、ただ緊張と疲労が口から漏れただけという体である。
ぐったりと丸めた背中を唐突に伸ばしたかと思うときょろきょろと周りを見やり、
内装を睨み、わざわざ振り返って他の卓の客と目を合わせては慌てて向き直る、
そんなことを繰り返している。
まずカウンター席に座らせるまでが一苦労、座らせても一向に面倒が収まらぬ。
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0ch BBS 2007-01-24