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1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[500]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:11:32 ID:???
「だから……」

と、そんな森崎に何を言うでもなく続けたレズリーの声音が、ふと変わる。
低く篭った、しかしどこか熱に浮かされたような、独白じみた声。

「だからこそアタシは、あの子を裏切っちゃいけない。期待に応えなくちゃいけない。
 あの子が本当のアタシを見てるなら、アタシは、もっと、もっと―――」

そこまでを呟いたレズリーが、はっとしたように顔を上げた。
目線だけで回りを見回すと、森崎と視線が絡まる。

「と、とにかく」
「……?」

どこかバツが悪そうに顔を背けながら、レズリーがグラスを手に取った。

「あの子と一緒にいるのが、今のアタシたちには当たり前の形だってだけ。
 アンタにどう見えてるかは知らないけどね」

一方的に話を打ち切ると、僅かに残ったグラスの中身を飲み干した。
口の端から紫色の滴がつう、と垂れたのには、気づいていないようだった。


***


0ch BBS 2007-01-24