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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[501]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:12:35 ID:???

「それより、なんか面白いことないのかい」
「あんまりキョロキョロするなっての。ったく……仕方ねえな」

とん、とグラスを置いたレズリーが言う。
話題を変えてほしいと書いてあるその顔に、森崎が顎をしゃくってみせた。

「あっちの卓、見てみろ」

森崎の示した店の一角には、他とは違う雰囲気を漂わせる調度が並んでいる。
何か模様を書いた布が敷かれた大きめのテーブルや豪華な装飾を施された飾り椅子。
燐光石による間接照明の色までが、他とは変えられているようだった。
品の良い薄暗さに調節された店内に比べ、その一角だけは僅かに黄色と紅色が強い。

「……あれ、何だい?」
「カード卓だよ。この店じゃそっち系もやってるみたいだ」
「そっち系って……賭け事!?」

思わず、といった風に声を上げたレズリーに、森崎が反射的に顰めた眉間を揉みほぐす。

「だから大声出さないでくれ、恥ずかしいから」
「……悪かったよ」
「こういう店じゃ、手汗だらけの汚い札を目ぇ血走らせて賭けるヤツはいねえ。
 あくまで余興、嗜み程度って感じだな」

拗ねたように言う少女にひとつ息をつくと、森崎が立ち上がる。

「子供の前でギャンブルってのもアレだが……ま、小銭程度ならいいだろ」
「誰が子供だ! ……って、ちょっと待てってば」


0ch BBS 2007-01-24