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1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[517]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:00:54 ID:???
***

A 「……ちょっと、な」 言葉を濁す。


隠すほどのことではない。
一言、二言説明すれば済む話であった。
それでも、森崎はそれを口にすることを躊躇った。
たとえばそれが生業であると、何度も越えてきた経験であると整理をつけたはずの感情。
そういうものをしまい込んだ箱の蓋は存外に緩く、不意を打たれれば口を開けてしまいそうで、
だから森崎は、曖昧な言葉に感情を埋めて、衝動を受け流そうとする。
しかし無論のこと、そんな機微が事情も何も知らぬ少女に伝わるはずもない。
苛立ったように目を細めるレズリー。

「……何、それ」
「ここで話すようなことじゃねえ」
「……っ!」

口にした瞬間に、後悔する。
断ち切るような口調は、反発しか生まない。
もっとうまいやり方はいくらでもあった、はずだった。
反省に昇華する前の後悔は、何の役にも立たなかった。
案の定、レズリーの表情が変わる。
険悪、を絵に描いたような視線が、森崎を射貫く。

「へえ……コドモの前じゃ言えないような関係ってわけ」
「……」

付き合っていられない、とばかりに口を閉ざして首を振る森崎。


0ch BBS 2007-01-24