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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[710]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/09/21(金) 00:34:16 ID:???
***
C 「……どうでしょう?」クレアに判断を委ねる。
「まず、お前が自分の金を賭けるのはナシ」
「えぇー」
「えー、じゃない」
案の定、不満の声を上げたレズリーに森崎が首を振る。
「どうしてもやりたきゃ、俺のチップでやれって言ってんだ」
「いいよ、そんなの……」
「でなきゃ、この話はご破算だ」
森崎がそう言ったのは単純な理由だった。
鉄火場の醍醐味は、痛みである。
今日の酒代、明日の食い扶持がじりじりと、あるいは一瞬で消えてなくなるかもしれないという
ひりつくような痛みこそが、博打の魔性だ。
その痛みによって生まれる傷を、勝ちという仮初めの薬が癒す。
膿を流し肉を繋ぎ、血を固め薄皮を張り、酷い傷を瞬く間に快復させる、
その奇跡のような体験は深く記憶に刻まれるのだ。
しかしそれは、実際には治らぬ傷の、ただ苦痛だけを消す薬である。
薬の効き目が切れれば、人はまた傷に苦しみ、奇跡を求めて薬を得ようとする。
その螺旋が、博打という泥沼であった。
故に、森崎は告げたのである。
自らの懐が痛まなければ、人は本当の意味で傷を負うことはない。
そうなれば螺旋の泥沼に嵌り込む危険も少なくなるというのが、森崎の考えであった。
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0ch BBS 2007-01-24