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1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[722]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:17:54 ID:???
「……」
「……ですよね」

不満気に口を尖らせたレズリーだったが、しかしそれ以上は食い下がろうとしない。
子供の駄々をどう片付けたものかと思案していた森崎が、ほっと胸を撫で下ろす。
森崎一人の説得であれば強い反発が返ってきたかもしれなかったが、クレアという人物には
こういうとき、ある種の強制力とでもいうべきものが備わっているようだった。

「つーか、もうすぐ日が暮れちまうぜ」
「え……そんな時間?」

この機を逃してなるかとばかりに帰り支度を促す森崎に、レズリーが目を丸くする。
窓のない半地下の店内では外の明るさが分からず、定期的に刻限を知らせる鐘の音も聞こえない。
自然、時間間隔も曖昧になってくるのだった。

「そうね。そろそろ、夜の仕込みが終わる頃じゃないかしら」
「だってよ……って、」

クレアが頷くのに振り返る森崎を迎えたのは、少女の上目遣いである。

「……もう、帰んなきゃダメか?」

一瞬、森崎が息を呑む。
僅かに頬を染めて眦を下げ、哀願するように言うその姿態は、おそらくは無意識のうちに
行なっているものであったろうが、驚くほど効果的に女というものを使いこなしている。

「お前なあ……」

媚態、と言い表されるであろう少女の表情に、盛大なため息を漏らす森崎。


0ch BBS 2007-01-24