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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[745]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:40:39 ID:???
ふわりと、肩に舞い降りたピコが言う。
ひとたび気がついてしまえば物憂げな表情の奥、瞳の底に燃える青白い鬼火を見誤ることはない。
それは、何かを捨てた者の目だ。
決して捨ててはならぬ何かを捨ててしまった者にぽっかりと空いた、虚だった。

「アイツ、は……」
「―――ステファン・レヴィン、そ、それから……ヘルマン・カルツ、ですね。
 レヴィンはスウェーデン出身、前歴不詳。カルツはオースティニア出身、傭兵としての経験は豊富、
 と身上書にはあります」
「うお!?」

思わず声に出した森崎の呟きに、即答を返す者がいた。
青年の方を凝視していた森崎が驚いて声の方へと視線を移す。

「ん? トニーニョ……な、わけねえか」
「……どういう意味かは聞かないでおく。モリサキ、お前に用があるそうだ」

いつもの仏頂面に、更に数本の皺を増やして言うトニーニョの後ろ。
小さな、人影があった。

「ん? お前は……」
『どこから迷い込んだ子?』

森崎が危ういところで飲み込んだ言葉を、ピコが容赦なく吐き出す。
誰にも聞こえないのが救いであった。
一歩進み出たそれは、ほとんど少年である。
僅かに潤んだ、大きな栃色の瞳。
あどけない表情に、やわからそうな頬。
さらりとした栗毛が、初秋の風に揺れた。
しかし彼が外見そのままの少年でないことは、その服装が物語っている。


0ch BBS 2007-01-24