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1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[777]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 19:30:49 ID:???
***

A 「お前……ネイとどういう関係なんだ?」


『うわ、そこ行くの!?』

ピコが驚くのも無理はない。
それは、傭兵大隊の中でも最もアンタッチャブルな話題と言っても過言ではなかった。
ネイとジェトーリオ。
追うジェトーリオ、振り払うネイ。
これまで、彼らの関係をあえて掘り下げる者はいなかった。
何となれば、男色は明白な死罪である。
教会に発覚すれば、即座に告発されることは疑いない。
故に、大隊の人間は彼らの仲について深く考えることをやめたのである。
もしかしたら、邪推するようなものではないのかもしれなかった。
しかし万が一にも不安が的中してしまったとすれば、それは先送りできぬ問題として浮上する。
解決を、図らねばならなくなる。

(……だが、答えを出しさえしなければ)

確定さえしなければ、問題として処理する必要もない。
知らなかった。気づかなかった。思いもかけないことだった。
そういう位相に押し込めておけば、隠匿の罪に問われることもない。
死して神の御前に立つとき、嘘を告解することもせずに済む。
実利的な側面だけでなく、信仰を持つ者たちの精神衛生上も、考えぬことが一番だったのである。
彼らの関係は見たまま「そういうかたちのもの」であり、それ以上でもそれ以下でもない。
それが傭兵大隊の総意であり、不可侵の結論であった。
森崎の問いは、その一線をやすやすと越えるものだったのである。

「―――知りたいの? 本当に?」


0ch BBS 2007-01-24