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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[778]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 19:31:53 ID:???
「う……」

気圧されたように、森崎が喉の奥から音が漏れる。
何故、こんなことを聞いてしまったのか。
そんな後悔がせり上がってきそうになって、森崎は下腹に力を込めた。
決まっている。知るためだ。
ジェトーリオという男を、ネイという男を知るためだ。
知ってどうするのか、それはまだ分からない。
それでも、知らねば何も始まらない。
理解とは、何も耳に心地良いことばかりではない。
時には茨を素手で掴むように、痛みや傷を負うこととてあろう。
それでも知りたいと、森崎は思ったのだ。
だが。だが、悔めば、恐れれば、それは単なる好奇心に堕する。
痛みを負う覚悟もなく人に踏み込む、そういうものに成り果てる。
それを自分に許せる男に、なりたくはなかった。
故に森崎は下腹に力を込め、気圧されかけた心を奮い立たせ、ジェトーリオの
黒曜石の瞳を、半ば睨むように見つめ返す。
音のないせめぎあいは、長い長い数秒。

「……なんて、ね」

先に息を抜いたのは、ジェトーリオである。

「そんな怖い顔、しないでよ。実際のところ、そう御大層に言えるようなものじゃないんだ。
 ただ昔から一緒にいるっていうだけでね」

つい、と視線を逸らしたジェトーリオが、採光窓から射し込む細い光を見上げる。
大地の色をした髭も生えていない肌を、こちらは目を逸らさず見つめながら、森崎が問う。

「幼馴染み……ってやつか?」


0ch BBS 2007-01-24