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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[790]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/10/03(水) 19:26:57 ID:???
***
B 無言を貫く。
ジェトーリオの語ったそれは、ありふれた不幸だ。
ありふれて、だが無感情にやり過ごすことのできぬ、不幸だった。
森崎の中にも、ぐるぐると渦を巻く様々な感情は沸き起こっている。
しかしそのすべてを飲み込んで、森崎は沈黙を守った。
「……」
「お、さすがだね。そういうとこ、嫌いじゃないよ」
同情を寄せることもできただろう。
不幸を憐れみ、共に悲しむこともできただろう。
たとえばそうやって感情を切り分けて、誰とでも共有しやすい形に加工して贈り合うのが
真っ当な世の中というものであるのかもしれない。
しかしそうしてしまったとき、その世の中に、彼らはいなくなる。
黒壇のような肌の男や、褐色の肌の優男は、真っ当なものたちの中から、いなくなるのだ。
それは、線を引くということだ。
不幸という泥のついた者と、そうでない自分たちとの間に線を引いて、その線を挟んで
話をするということに他ならなかった。
故に、森崎は無言を貫いた。
そういう扱われ方を許容する寛容、あるいは愚鈍をジェトーリオという男に求めることは、できなかった。
「……ま、そんな感じで、ね」
森崎の沈黙に何を悟ったか、肩をすくめてジェトーリオが続けた。
「色々あったけど、それからはずっと一緒にいる」
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0ch BBS 2007-01-24