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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[796]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 20:16:05 ID:???

//剣術 カルツ


「よう、隊長さん」

新規に配属された傭兵たちを並べ、それぞれの得物を振らせていたときのことである。
ナイフや鉈や、果ては丸太を適当に削ったような棍棒を得意げに振り回す荒くれどもに
内心で頭を抱えていた森崎に声をかけてくる男がいた。
金髪を短く刈り込んだ、背丈は低いががっしりとした体躯を持つ男。

「ん? お前は……」
「こうして話すのは初めてじゃの。ワシゃ、ヘルマン・カルツいうモンじゃ」
『イモみたいな顔した人だね』

相手から見えないのをいいことにくるりと顔の周りを巡ってみせたピコの言葉は、的を射ている。
食習慣のない欧州では見かけないが、東洋圏では馴染みの深い芋特有の土臭さとごつごつとした造形、
そして同時に素朴さと温かみを感じさせる顔立ちをしているのが、カルツという男だった。
要はお世辞にも美男とはいえないが、愛嬌のある男である。

「得物は……戦斧か。随分と使い込んでるな」
「おう、分かるかい」

カルツが立つその脇で地に突き立てられているのは、およそ胸丈ほどまでもある両手斧である。
当世風の長柄は持たず木製の太い握りと巨大な斧頭だけで構成された、質実剛健を
絵に描いたような得物であった。
鎧の上から敵を斬り潰すその重量たるや、刀剣の比ではない。
それを得意とするカルツという男、小柄でありながらおそるべき腕力と体幹を秘めていることは
疑いようがなかった。


0ch BBS 2007-01-24