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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[806]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/10/12(金) 20:20:11 ID:???
「……ま、しかし今日は大丈夫だろ。誰もいねえし」
森崎の言葉通り、時間帯によっては混雑する道も今は閑散としている。
時折通りすがる乗合馬車の、蹄と車輪が石畳を噛む音が森崎の耳に響いてくるだけだった。
『登校時間はもう終わってるからね。重役出勤なんてキミも偉くなったもんだよ』
「嫌味な言い方すんな! 軍令部に呼び出されてただけだろうが! ほら、あれ! あの書類!」
『はいはい、お疲れ様〜』
「くっそう……人の苦労も知らないで」
『知ってるけどね』
地団駄を踏む森崎にちろりと小さな舌を出すと、白い雲も長閑な空に舞い上がったピコが
くるりと輪を描いてみせる。
『ていうか、前見て歩きなよ。馬車に轢かれるよ』
「大丈夫だって。こうやって見渡す限り誰もいねえんだから。
ははっ、俺を何かに巻き込む運命ってやつがあるなら、是非とも底力を見せてもらいたいもんだね」
言って両手を挙げた森崎が、石畳の上で軽いステップを踏む。
『またそうやって、調子に乗ってると危ないからね!』
「どうなるってんだ? 右見て、左見て、前と後ろも問題なし―――」
と。
森崎の視界にふと影がさしたのは、その瞬間である。
右でも左でも、前後でもないそれは、
「―――ちくしょう! 上だったかよ!」
不意を突かれた森崎が、しかし咄嗟に見上げたその視界に映ったのは、
ふわりと広がるチェック柄の布と小麦色の肌である。
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0ch BBS 2007-01-24