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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[820]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/13(土) 13:32:44 ID:???
「アッハハ、それじゃボクが変人みたいじゃない!」
「……」
『そこで黙るんだね』

ピコの茶化す通り、沈黙はある種の場合において雄弁な肯定となる。
だがハンナという少女はそれを斟酌することはないようだった。

「昔っからの癖でさ。ボク、お姉ちゃんが一人いるんだけど」
『今度は語りはじめたよ』
「そのお姉ちゃんていうのがまた、お人形さんみたいな人でね! 自分もすっごく可愛いんだけど、
 もう可愛いものが大好きで、リボンとかフリルとか、ああいうのが部屋にも溢れてんの」
「はあ……」
「で、小さい頃のボクはお人形さんみたいなお姉ちゃんの、そのまたご愛用のお人形扱い!
 いやー、そりゃもうフリッフリに飾られてさ。うぅ、今思い出すと寒気がするよ」
「その話、まだ続くのか」

ぶるり、と大袈裟に身を震わせてみせたハンナに、深い溜息をついて森崎。

「すぐ終わるって! で、ちっちゃいボクは思ったね。可愛くなくなれば、お姉ちゃんに
 嫌われるんじゃないか。そうしたらお人形から卒業できるんじゃないか、ってね。
 実際、これが名案! ボクって言うようになって、男の子みたいな遊びをしてたら
 リボンもフリルも似合わないって、お姉ちゃんが匙を投げてくれたんだよ」
「そうか、そうか」
『いい天気だねえ』

青空に浮かぶのは、夏の名残の小さな入道雲である。
広い芝生を吹き抜ける風も実に爽やかだった。

「ま、それ以来ボクは自分のことをボクっていうようになったわけ。
 どう、わかってくれた?」
「ああ、よく分かった。とりあえず話を元に戻してもいいかな」
『一歩も進んでないからね』


0ch BBS 2007-01-24