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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[827]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/17(水) 18:37:49 ID:???
「あの、あの、でもさ!」
「でも、なんだ」
「ぼ、ボクいつもああやって抜けだしてるし、ほら、あのくらいへっちゃらなんだから!」
「……」
「え、えへへ……」

戸惑ったように目を左右に泳がせたハンナの口から飛び出すのは、弁明ともつかぬものである。
誤魔化そうとした笑いがひきつるのを真っ直ぐに見ながら森崎が、すう、と息を吸った。

「―――へっちゃらなんだから、じゃない!」
「わあっ!」

怒鳴り声に、ハンナが反射的に首をすくめる。

「昨日はいい、今日も大丈夫、だがもし明日、塀の上でバランスでも崩したらどうする!」
「ぅ……」
「飛び降りる先だって石畳だ! 柔らかくもなけりゃ平らでもない!
 転んで膝っ小僧すりむく程度じゃ済まないんだぞ!」
「……」

猛烈な勢いで叱られるハンナは、既に俯いて顔も上げない。

「洟垂れの子供じゃないんだ。足をやっちまった奴がどういう風に扱われるのか、
 わからないわけじゃないだろ!?」
「……う、うん……」


0ch BBS 2007-01-24