※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ 現行スレ 投票 最新20

1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[838]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:22:14 ID:???
しばらく唸っていたハンナが、僅かに肩を落としながら首肯するのを見やって苦笑した森崎が、
ふと空を見上げる。
初秋の太陽は既に天頂近くまで昇っていた。

「……おっと、つい長々と説教しちまったな」

よっと、と声を上げながら立ち上がる森崎。
長時間座り込んでいた腰が痺れたように痛むのを揉みほぐす。

「ま、俺が言いたいのはそれだけだ。後はお前次第だ、頑張んな」
「―――ちょっと、待って!」

片手を上げ、立ち去ろうとした森崎を止めたのは、声だけではない。
ハンナの手が、がっちりと森崎のズボンの裾を掴んでいた。

「……まだ、何かあんのか」
「あの、……その、お願いが」
「お願いィ?」
『ふぁ……話、終わった? って』

今の今までどこをふらついていたものか、欠伸をしながらふわりと舞い降りてきたピコが
縋りつくハンナを見下ろして、呆れたように言う。

『……あたし、この先どうなるか、大体わかる気がするよ。言ってあげようか』
「……」

いらん、と目線だけで答えると、森崎がハンナの言葉を待つ。

「さっきの話……鍛錬の。戦場に出る、っていうし。それと、その髪……」

ハンナが見上げるのは、森崎の黒髪である。
陽光の下でもなお漆黒を保つ髪は、南欧ではやはり珍しい。


0ch BBS 2007-01-24