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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[851]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:46:50 ID:???
「ボクがどのくらいの位置にいるのか、でしょ。コーチだもん、聞くのは当たり前。
 怒ったり拗ねたりなんて、しないよ」
「……」

ハンナという少女、こと競技が絡むと森崎の想像をあっさりと踏み越えるところがある。
それ以外のときに見せる姿とはまるで違う人間がそこにいるようですらあった。
思わず言葉を失った森崎を前に、ハンナが淡々と、告げる。

「子供の部で、二番目。去年も、一昨年も、その前も。ボクはこの国で二番目だった。
 大人の部でどうなるかはわかんないけど……このままだと、多分、同じ」

国全体から選手が集まるという競技会で、二等。
門外漢の森崎からすれば、それが意味するのは栄光であるように思える。
しかし、少女の顔に喜悦の色は一切浮かんでいない。
代わりにそこにあったのは、情念である。
灰の中にちろちろと燃える熾火のような、触れれば肌を焼く、炎。

「それは……」
「去年もその前も、ボクの上で一等になってるのは一人だけ。同い年なんだ。
 だから今年はあいつも大人の部に出てくる」

あいつ、と呼ぶとき、ハンナの口角がぎり、と引き絞られる。
牙を剥く獣。あるいは、戦士。
そういうものを彷彿とさせる、それは少女という衣を脱ぎ去った競技者の顔である。

「ボクは、あいつに勝ちたい。勝って、一等になりたいんだ」
「あいつ、ってのは」


0ch BBS 2007-01-24