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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[854]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:50:22 ID:???
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「よし、とにかく走ってるところを見なきゃ始まらねえ」
「うん、そうだね……っと」
「うぉい!? お前、何やってんだ!」

森崎が慌てるのも無理はない。
頷いたハンナがシャツのボタンに手をかけると、だしぬけにそれを上から外し始めたのである。
ベストがするりと肩から落とされ、ぷちぷちと白いシャツがはだけるとハンナの小麦色の鎖骨が
見る間にあらわになっていく。

「わ、おい、そういうのは……!」
「へへ……すぐ練習できるように、制服の下に着ておいたんだ。……って、何やってんの?」
『……ばか』

背中を向け、何も見ないように亀のように蹲った森崎に突き刺さるのは、相方の冷たい一言であった。

***

「……うん、こんなもんかな」

入念な柔軟体操とウォームアップを終え、ハンナが森崎に声をかける。

「じゃ、始めるよ。しっかり見ててね」
「おう。全力を見せてくれ」

森崎の言葉に、ニヤリと口の端を上げるハンナ。

「言われなくたって!」

悪戯っぽく笑ってみせたハンナの顔から、しかし一歩ごとに笑みが抜けていく。
スタート位置に近づくその身が纏うのは、一種独特の気配である。


0ch BBS 2007-01-24