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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[880]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/10/22(月) 18:40:03 ID:???
こつりと、拳のぶつかる音と感触。
その小気味良さを最後に、森崎が立ち上がる。
「はい! また今度、お願いしますっ!」
「おうよ。……って、なにィ!?」
尻についた芝生を払っていた森崎が、ハンナの言葉に目を剥いた。
思わず振り返ったその眼前にあったのは、しかし悪戯っぽい笑みである。
「あははっ、冗談だよ! 忙しい隊長さんに、あんまり迷惑かけらんないもんね」
「勘弁してくれよ……」
安堵のため息をついた森崎に、ハンナもまた立ち上がって真っ直ぐに森崎を見据えると、言う。
「今日教わったこと、全部。一つも、忘れないよ。それで、ボクなりにやれるところまでやってみる。
……怪我とか無茶はしないようにするからね」
「ああ、そいつはくれぐれも頼むぜ」
頷いた森崎に、ハンナが今度ははにかんだような笑顔を浮かべる。
「でも、再来月のスポーツの祭典は見に来てよね! 絶対だからね!」
「覚えとくよ」
「うん!」
しっかりと頷く姿を見届けて踵を返した森崎の背に、ハンナの声が響く。
「じゃ、またね! コーチ! 本当にありがとっ!」
それは、一時の別れの合図である。
片手だけを上げて応えた森崎の頬を、芝生を渡る風が爽やかに撫でるのだった。
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0ch BBS 2007-01-24