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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[889]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/23(火) 13:57:04 ID:???
扉の方へと向かう森崎の背に、はたはたと薄い翅のはためく気配。
無言のまま、しかし着いてくるようではあった。


***


「―――さて、来るかな」
『待ちぼうけで大会に遅れたりしてね』
「お前なあ……まだ機嫌悪いのかよ」

呆れたように首を振る森崎が立つのは、行き交う人で溢れるサウスドルファンの大通りである。
環状馬車の乗合駅から歩いてすぐ、目印にした店の前で壁に寄りかかる森崎の独り言じみた言葉は
喧騒にかき消されて奇異に思われることもない。

「言伝屋め、ちゃんと手紙は届けたんだろうな」
『心配なら自分で直接行けば良かったのに』
「剣ぶら下げた東洋人がいきなり訪ねてきたら家族が驚くだろ」
『もう、変なトコには気を遣うんだから……教会で自宅まで調べてる時点でびっくりだよ』

森崎の言う言伝屋とは、その名の通り、手紙や言葉などを目的の人物に伝えることを
生業とする者である。
郵便と違い個人業であり、その場での請負と素早い伝達を特徴としている。
逢引の打ち合わせに使われることも常であり、今日のように大きな催しがある日などは
繁忙を極めている。

「さて、時間はもうそろそろヤバいんだが……」


0ch BBS 2007-01-24