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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[907]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:53:27 ID:???
***

『これでベスト4……あとは準決勝と決勝戦だね』
「ま、ここまでは楽勝だったが……この先は、そうはいかねえかもな」

ふわりと肩に乗ってきた小さな相方に向かって、森崎が呟く。
天幕の中に戻ってきた勝者は、森崎が四人目。
即ち、準決勝に残った最後の一人である。
ぴりりとした空気を発するのは、それぞれ距離を置いて座る三人の男たちであった。

「……」
『次に当たるのは……あの人だよね』

言ったピコが小さな指で指し示すのは、天幕の入口近くに腰を下ろした森崎の正面。
漆黒の板金鎧に身を包んだ巨躯である。
得物はその背後に立てかけられた長大なハルバード。
鋭い目線に赤茶けた髭を蓄えた、いかにも剛勇無双といった風情の男であったが、
篭手だけを外したその手に握られているのは、何ともこの場にそぐわぬ代物である。

「……いや。盃って」
『お酒……呑んでるよね、あのおじさん』
「カール・フェルドマン。騎士団代表で『黒騎士』の称号を持ってるらしいぞ」
『……騎士団代表、ねえ』
「の、はずなんだが……」

ぼそりと口の中だけで答えた森崎の眼前、湯呑みのような盃を一気にあけると、
傍らに置かれた壺からまたどくどくと琥珀色の液体を注ぎ込んでいる。

「……明和の大虎かよ。まあ、余裕があるのは確かみたいだな……」

言った森崎が、次に目をやったのは向かって左。
静かに目を閉じている男である。


0ch BBS 2007-01-24