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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[913]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 17:49:58 ID:???
「……!」
『うわ……おっきい』

森崎とて、南欧の人間と比べても決して背の低い方ではない。
しかし眼前の男は、その森崎よりも頭一つ分以上の差をつける巨漢であった。
全身を覆う鎧のせいもあろうが、肩幅や胸板は森崎の倍はあろうかとさえ思える。

「……」
「ん? どうした、これから戦う者と交わす言葉はないか?
 グアッハハハ、いかんぞ、あまり硬くなってはいざという時に力が出ん!」

蓄えた赤髭を揺らしながら豪快に呵ってみせた、男の全身から漂うのは強烈なアルコール臭である。
森崎はその匂いに辟易して口を開けないというのが正しい。

「しかし貴様、聞いていたより若いな! その若さで隊を任されるとは、大したもんだ」
『うわ、ぐいぐい来るねこの人』
「……」
「何だなんだ、覇気がないぞ! 気付けに一杯やるか?」

顎で指した先には先ほどまで絶え間なく傾けていた壺と盃。

「いや……」
「まあいい、せいぜい祭りの舞台を楽しもうではないか!」

かろうじて断りを入れた森崎を、侮るでもなく蔑むでもなく、ただ言葉通り楽しそうに呵って見やり、
男は先に天幕の入り口を潜って外に出ていく。

「……やりづれえ」
『ま、頑張って。ほら!』

僅かに肩を落とした森崎の頬に、小さな拳で気合い一発。
相方に頷いて、森崎もまた男の後を追う。


0ch BBS 2007-01-24