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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[962]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 17:52:50 ID:???
フェルドマンから見て左側、視界の端まで退いた森崎が疾風一陣、再度の踏み込みで
横薙ぎに剣を振るい、黒騎士の喉元へと刃を止めてみせたのであった。
左の腕は流れきり、右の手は胴近くまで槍を引き戻していたフェルドマンに、
それを防ぐ術はなかった。
険しい表情を浮かべたのは、一瞬。
すぐに力を抜くと、槍の穂先をだらりと下げた。

「……俺の、負けだな」
「……」

もごもごと揺れる赤髭の向こうから漏れた言葉に、森崎もまた剣を引く。
一瞬遅れて、審判役の男が片手を高々と上げ、宣言した。

「そこまで! 勝者、ユーゾー・モリサキ!」

観衆が破裂するような声を上げたのは、更にその後である。
息を呑むような一瞬の攻防が終わったのだと、ようやく気がついたようだった。

「おおお!! すっげえぞ、あの東洋人!」
「モリサキ! 傭兵隊長モリサキか! 覚えたぜ!!」
「騎士団の代表に勝っちまった!!」

口々に興奮を告げるその声は大きなうねりとなって会場を包む。
心地よくその声を受け止めていた森崎に、す、と差し出されたのは黒い篭手だった。
フェルドマンが、握手を求めていた。

「負けた、負けた! 強いなァ、貴様!」
「あんたこそな。先に一撃もらってたら、勝負は分からなかっただろうぜ」
「ぐぁはは、それも時の運か!」

がしりと、冷たい鉄の感触と手を結んだ森崎が言うのへ、フェルドマンが哄う。


0ch BBS 2007-01-24